【ムシューリックの歴史と研究】

さて、一般的な観点からムシューリックについて従来のニンニクと比較すると、あまり効果が期待できないという認識があります。それは、ニンニクは臭いが効くという誤った解釈が少なからずあるからと考えます。これらの誤解は、ムシューリックに含まれている無臭有効成分を柱として様々な角度からの調査が行われ、安全性や効果・効能の研究が進み、研究者のすばらしい効果の発表によって解かれています。

ムシューリックはニンニク特有の臭いが外部に出ないという、実に神秘的な植物学上の性質を持った、いわゆる無臭性のニンニクです。日本に初めて上陸した折、ニンニクのような形をした不思議な植物として扱われました。東北地方の大学で研究を行なったこともありましたが、その当時は目を見張るような成果を得られなかったといいます。

平成2年春、前年秋に作付けされたおよそ百万粒の球根の収穫に向けて、全国で栽培されていた無臭ニンニク事業が集約され、長野県須坂市に統括本部が設置されました。収穫に向けた準備、営業開発に必要な資料の作成が検討されました。そして7月、収穫された約100トンの無臭ニンニクはミンチ状に加工され、設備が整った大きな冷凍庫に収められました。

当時、日本国内のニンニクの需要は約24万トンで、そのうち14万トンが輸入でした。無臭ニンニクの出現は、食後に出てくるニンニク特有の口臭や体臭が解消され、いつでも食べる機会が得られ、ニンニクの効果・効能によって健康な体を維持できると考えました。

平成2年秋、財団法人日本食品分析センターの食品分析によって、栄養価は従来のニンニクと比較してほぼ同等であることが解明されました。あるとき、営業活動の中で無臭ニンニクが本当にニンニクであるかとの疑問に直面しました。調査の結果、当時の厚生省薬務局・新医薬品課にニンニクの規格基準があり、それらの書類が地方の係わる機関に送られていることがわかりました。長野県衛生公害研究所において、公表されたニンニクの規格基準に添った適合試験を実施し、その結果、陽性であることが報告され、無臭ニンニクは食品としてニンニクであることが証明されました。さらにニンニクとして重要な成分のアリインについて調査いたしました。アリインはニンニク中に含有する無臭成分ですが、切ったり傷つけたりするとアリナーゼという酵素と反応して、数秒で臭い成分アリシンに変化します。この研究は大手製菓会社の研究所で行われ、アリインの含量は従来のニンニク7.5%に対して無臭ニンニク9.2%と約2割多いことが判明いたしました。また、臭いについても専門のパネラーによる臭量の検査が行なわれ従来のニンニクの14分の1であることが報告されました。

平成4年、無臭ニンニクは『ムシューリック』という名称で商標登録の申請を行ない、程なく承認されました。

ムシューリックは、なぜ臭わないのでしょうか。事業開始初期には、このニンニクに多く含まれる糖分や蛋白質がアリインより先にアリナーゼと反応してしまうため、臭いが出にくくなると考えられていました。しかしムシューリックは120℃以上の高熱(衝撃)などを施した後、経時変化を測定すると7日目あたりにニンニク独特の弱い臭いが発生するということが判明いたしました。その結果、ムシューリックはこの植物の特性として、ニンニク特有の臭いが非常に出にくい性質を持ったものであることがわかりました。アリインそのものが自然界でマスキングされていて、そのマスキングはゆっくり時間をかけて壊れていきます。通常食事として召し上がった場合は24~36時間で排泄してしまいますから、口臭や体臭として体外に出ることはありません。

この生理の解明は次の実験により推測されました。

①パンの抗菌試験;小麦粉に対して1%程度のムシューリック粉末を配合したパンを作ります。焼きあがったパンは衛生的に個々に包装し、細菌検査を行ないます。ムシューリック粉末を添加しないものは4日目にカビの発生が確認されましたが、ムシューリック粉末を添加したものはカビの発生が見られず、さらに7日目一般細菌数が1万個/gあったものが、突然に100個/gに激減しました。何らかの形でアリインがアリシンに変化し、その殺菌力が働いたものと推測されます。

②うどんの抗菌試験;小麦粉に対して5%程度のムシューリック粉末を配合したうどんを作ります。これを茹で上げ、仕上がりの色彩、ツヤ、弾力、食味試験を行ないました。ムシューリック粉末を添加したうどんはすべてに関して無添加より優れた評価を得ました。また、パンと同様の検査においても劣化速度が著しく遅いと判定されました。パンと同様にアリシンの抗菌作用によるものと推測した。

③缶ジュースの経時変化;適宜にムシューリック粉末を配合した缶ジュースを試作しました。製造は缶充填後、加圧加熱殺菌(レトルト・120℃)を施した。製造後の経時変化を測定する。プルトップを開封し官能及び食味試験を行なう。6~7日目の官能試験においてプルトップ開封時に、若干のニンニク特有の臭いを確認しました。

以上のように、殺菌作用や抗菌作用と思われる現象はアリシンの特徴であり、アリインからアリシンに変化する速度が極めて緩やかな、遅延型の無臭性ニンニクであるといえます。

ムシューリックの評価について、成分を特定し、確認試験や定量試験あるいはその効果・効能についての検証には多くの時間を費やした。様々な文献による報告から小湊潔氏の著書に記されたスコルジニン配糖体の調査を行ないました。この物質はニンニク特有の臭いはなく、急性毒性や慢性毒性もない非常に安全な物質であることが判明しました。また同氏の著書にはスコルジニン配糖体の発見から、様々な類に及ぶ臨床試験結果についての報告が記されており、その効果・効能はニンニクが持つ良い部分がすべて集約された内容でした。ムシューリックに含まれているスコルジニン配糖体の量は、その確認試験方法及び定量試験方法や標準品の入手から始まり約2年の歳月を費やした結果、財団法人日本食品分析センターで試験を実施することができました。その結果、従来の生ニンニク4.77%に対しムシューリック生原料9.00%という報告があり、ムシューリック粉末には39.9%のスコルジニンの含有が確認されました。従来のニンニクと比較して約2倍のスコルジニン配糖体が含まれていたのです。